上田会計レポート
(資料提供 MMPG)
当社の顧問会計事務所、上田公認会計士事務所より
医院経営についての、ワンポイントアドバイス等をお届けいたします。
Vol.3
今日診療室に、クーハン(ゆりかご)に乗せられた生後二ヶ月の赤ちゃんを連れたお母さんが来院した。何回か通っている患者さんであるが、赤ちゃんを連れて来院してきたのは今回が初めてである。そのお母さんが診療中、私が赤ちゃんを抱いて待っていると、気持ちよくなったのか、赤ちゃんはそのまますやすやと眠ってしまった。なんて可愛い寝顔だろう、天使のような寝顔を眺めながら、私は我が子の小さい頃を思い出していた。
このように子育てから時間が経って思い出すのは、子供の可愛い姿ばかりであるが、実際子育ての最中はそんな楽しいばかりではなかった。特に大変だったのが、病院通いだ。私には3人の子供がいるが、子供を連れての通院はまさしく「苦痛」であった。子供に「おとなしくしなさい。」と言ったところで、子供は黙るわけもなく、時間が長引けば泣き出すこともある。一人、二人と泣き出せば、もうその場所にいれなくなる。他の患者さんに迷惑がかかり、そのストレスに気持ちが重くなる。しかし私は母親であり、我が子の病気のためなら、どんなことをしてでも病院に通ったものである。しかし、どうにもならないのが自分の通院である。自分のことは二の次三の次となり、なかなか病院通いもままならない。子供を預ける場所もなく、連れて行くパワーもない。今思い出しても憂鬱になる。それだけに、小さなお子さんを持つお母さんの通院を楽にできないだろうか、いつもそう考えていた。
とにかく子供の気持ちを紛らわせるものを考えてみる。待合室に本やおもちゃがあるとしばらくは気を紛らせて遊んでくれるが、時間が長引いてくると飽きてしまいぐずりだす。そんな時、タイミングよく、受付の方から「このおもちゃで遊ぶ?」と、新しいおもちゃを手渡される。するとまた子供はそれでしばらく時間が持つ。「また何か出てくるかな?」子供はそんな思いで、受付のほうに目をやる。すると、受付の方と目が合い、また違ったおもちゃを手渡される。こんな風に子供の気持ちを、少しずつ引きつけてあげてはどうだろうか。
次に大変なのが治療中である。待っている子供さんは、お母さんをおっかけて離れない。お母さん自身の治療だけでなく、兄弟の治療中でも母親は落ち着いて先生の話が聞けない。そこで、その時間子供と遊んであげる。お母さんが、変な気を遣わなくてもいいように、「お子様連れのお母さんへ。当院ではお母さまが治療中、お子様のお相手をさせていただきます。お気軽にお申し付けください。」と、待合室に掲示しておく。そして、母親が見える場所(当院では受付の後ろ)で、カーペットなどを引き、ままごとセットやパズルに塗り絵など、待合室にはないおもちゃを用意して遊んであげる。母親の中には、感動して涙ぐむ人もあり、大変喜んでいただけるサービスとなっている。
このように、色々な思いで患者さんの足は歯科医院から遠ざかっている。まだまだ私の歯科医院にも、何らかの思いで来院を躊躇している患者さんはたくさんいる。その患者さんのストレスの原因に気づき、なんらかの方法を考えていかなければ、患者さんの来院意欲は高められないのではないだろうか。