上田会計レポート

(資料提供 MMPG)

    当社の顧問会計事務所、上田公認会計士事務所より
                    
    医院経営についての、ワンポイントアドバイス等をお届けいたします。
 

VOL.29                                                                    

     

    《衛生士さんが前向きになれる求人募集に

  
  ■就職難?衛生士不足?


 歯科衛生士の友人からメールが来る。「どこか歯科医院で求人募集しているところないですか?」ほぼ同時に、知り合いの院長先生から電話が入る。「どっかに歯科衛生士さんいない?」タイミングよくみえるこんな出会いも、成立する確立はほんのわずか。ほとんどの場合、条件が合わずに紹介までもいかない。就職難なのか、衛生士不足なのか、出会いというのは本当に難しいものだと思う。


 私は、以前歯科衛生士の専門学校で勤めていた。春になると約100名の歯科衛生士を現場へ送り込むため、2学期に入ると就職活動が開始する。壁一面に貼り出された求人票や分厚いファイル。学生たちの中でこれらの争奪戦が始まる。友人を押しのけながら、必死で求人票を覗き込む。いち早く条件のいい職場を見つけるために、彼女たちも必死である。やっとすべての求人票に目を通し終わった学生の中には、さっさと面接の申し込みを始めるものもあれば、見れば見るほど頭が混乱している学生もいる。どこがいいのか?何を基準に選べばいいのか。そんな事を考えながら、何度も何度も求人票の前で考え込む。


■「面接」ではなく「見学」を

さて、こんな風に求職者というのは何度も同じ求人票を見ている。何度読んでも、それ以上の内容は見えてこないのになかなか決断できずにいる。「行ってみたい、でも満足できる歯科医院であろうか」そんな不安がよぎり飛び込めないのだ。

 
  そこで求職者は、知り合いなど色々な人脈を使って情報収集をしようとする。しかし、なかなか詳しい情報は得られない。
 結局、「面接してみようかな…」の時点で止まってしまうことは多い。面接に行く前に、もっと多くの情報を得たい。これが求職者の要望である。例えば、衛生士学校に求人募集を出される場合、もっと多くの情報を添付してあげてくれれば。ただ記入するだけの求人票だけでなく、医院のコンセプトや院長の思いを別紙に書き添えたり、医院の写真を添付したり、また今働いているスタッフからの生の声をメッセージとして伝えてみたり。そんな風にしてあれば、どれだけ学生は安心して面接にいくことができるだろうか。


 また、週末になると驚くほどの数の求人広告が新聞に折り込まれているが、このような求人広告を見ている一旦家庭に入った社会復帰型の主婦衛生士や母親衛生士。彼女たちも、社会復帰という一歩を踏み出せずにいる。「明るく楽しい歯科医院です」「ブランクのある方大歓迎」などのキャッチコピーには、「心機一転頑張ってみるか!」との気持ちを揺さぶることはできる。

 しかし実際、現在の歯科医療の目まぐるしい変化についていけるのか、そこが大きな不安となっている。一番いい情報収集の方法は自分の目でみてくることであるが、「面接に行ったら断りいくい」という思いもあって、なかなか面接に踏み出せない。そこで、「面接」ではなく「見学」させてあげてもらえないかと思うのだ。

 広告の求人欄に「まずはお電話ください」ではなく「まずは医院を見学にきてください。気に入っていただけましたら、面接してみませんか?」と、書かれてあれば、医院への扉が軽く感じられるのではないだろうか。

新しい職場に向かっていくことに不安を感じる衛生士、働きたくて働く勇気のない衛生士はまだまだいっぱいいる。その彼女たちの気持ちが前向きになれるよう、ちょっと肩を押せる方法をこれからも考えていきたいと思う。


 ちなみに、衛生士学校によって、また年度ごとの学生のカラーによって、就職を決定する時期はまちまちである。卒業試験までにほとんどが決まっている学校もあれば、半分以上決まっていない時もある。遅すぎる場合も、早すぎる場合もあるので、各学校の就職活動の情報を収集して、求人募集に取り掛かられることをお勧めする。

                                                                 歯科衛生士 岩崎 小百合