新聞に面白いお話がありました。ちょっとした
豆知識にどうでしょうか?
 
 
アメリカ、マサチューセッツ工科大学の
「メディアラボ」といえば、マルチメディアの研究で
世界をリードする最先端の研究機関である。
そのラボの教授二人が昨年夏、東京を訪れ、
腰を抜かすほど驚いた。
 
街角ではコギャルと呼ばれる少女達が
携帯電話を器用に操り、インターネットでメールの
やり取りをしている。
大手おもちゃメーカーを訪れたら、手帳サイズの
電卓のような製品に赤外線通信装置が
組み込まれていた。
小学生が遊び感覚で使うおもちゃなのだが、
同じ機種なら文字やイラストのメッセージを
やり取りする事が出来る。
メディア研究世界最先端の権威二人は
「すごい!」と、感嘆の声をあげ、早速その
おもちゃを買い込んでいった。
 
彼らを案内したメディアラボの中村客員教授は
「携帯型の情報末端を使ったメールなどの
非音声系サービスは日本がトップレベル。
商品だけではなく利用者の能力が高い。」と語る。
事実「携帯」に習熟した少年少女は番号キーで
1分間に百文字をやすやすと入力し、
欧米の専門家から「OH!カミカゼ」と驚異の
まなざしを向けられていると言う。
 
欧米の「常識」では携帯電話はまだ、あくまで
「話す道具」である。
日本ではそれが「持ち運べる情報末端」に
進化を遂げ、PHSの場合、メールや
文字情報サービスなどの非音声系通信が、
すでに発信回数で音声回数を上回り、
全体の六割以上を超えていると言う。
流行語となった「モバイル」(移動体通信)は
コンピューターの小型化と共に各国でさまざまな
試みが繰り返され、ことごとく失敗を重ねてきた。
それが日本では携帯電話とPHSに飛びついた
コギャルによって一気に開花した。
 
欧米の政府や通信機メーカーはそれを知り、
「携帯電話とインターネットを組み合わせれば
世界的大ヒット間違い無し」と次世代携帯電話の
実用化に本格的に取り組むようになったと言う。
 
大人達がまゆをひそめる厚底靴の少女達が
実は、次世代への扉を開ける主役だったのだ。
次世代携帯電話の実用化で焦点となったのは
 @音声通信と高速大容量のデータ通信の統合
 A世界共通の通信企画〜の実現だった。
 
主要各国が導入する次世代方式は
米通信機器大手、クアルコム社を中心に
まとめられた「米国方式」と、スウェーデン企業の
エリクソンなど欧州陣営にNTTドコモが合流して
作った「日欧方式」の二つ。
このニ方式は世界市場の覇権争いから統一が
困難だった為、標準化の音頭をとっていた
国際電気通信連合(ITU)は昨年3月、両方を
共に事実上国際標準統一企画と認めてしまった。
「CDMA](符号分割多元接続)という共通の
技術を使用すれば互換性を保てると言うのが
その理由だった。
 
日本にとっての不幸は欧米の2社が通信機器
メーカーであるのに対し、NTTドコモは
携帯電話サービス事業者で、携帯末端機製造の
利害に関心が薄かったことだ。
欧米の対立が続いていれば日本もまだ
救われたかもしれないが、クアルコム、エリクソン
両社は99年3月末、2方式併存を受けて双方の
技術を互いに利用し合うクロスライセンス契約を
結び、日本のメーカーをはずして欧米がタッグを
組む形になった。
 
世界各国に申請・認可された次世代携帯関連
技術の必須特許は、99年末現在、1854件。
このうちNTTドコモが保有する特許は5%強の
101件にすぎない。
ただしサービス事業者である同社は外国の特許を
使う場合でも、基地局などのネットワークを
安く整備する為の回線交換機などの購入の際に、
特許料支払いが必要なだけで、整備完了後は、
特許に関する出費も無くなる。
問題は携帯末端機を製造する国内メーカーである。
NTTドコモはこれまで「携帯電話市場の拡大」を
目的に関係特許を無料で公開し、国内メーカーは
その恩恵で製造に伴う特許料の支払いに悩む事無く、
末端の小型軽量化や高機能化、低価格化をはかれた。
つまり護送船団方式の依存関係が成立していたのだ。
 
ところが、市場が世界化する次世代携帯では、
メーカーにとってそうしたぬるま湯は許されなくなる。
市場が世界に広がるという事は、日本の市場に
欧米企業が本格的に参入してくる事もあり、
日本企業は基本技術の部分で欧米の企業に
特許料を支払うと言うハンディを背負っていかざるを
得ない。
 
クアルコム社の会長によると、日本の場合、
欧米の特許保有企業が製造する末端機に比べ
15〜30%コスト高になる可能性があるという。
90年代に日本のパソコンメーカーは基本ソフト
「ウィンドウズ」のマイクロソフトや中央演算
処理装置(CPU)のインテルに巨額の使用料を
払い続けた。
21世紀には、実用化の道を我が国で
切り開いたはずの、次世代携帯電話の分野で
同様の苦い経験を味わいかねない状況になっている。
 
どうです読んでみて。笑えるとこ有り、
ふ〜んと言うとこ有り、なかなかではないでしょうか。
まあ話しのネタにどうぞ。
 
(2000年産経新聞より)
 



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