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上田会計レポート NO.133

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礼節と誠実は最強のリーダーシップです。

大阪市中央区の上田公認会計士事務所の上田です。

連日厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

本日は「礼節と誠実は最強のリーダーシップ(仕事と人間関係の参考書)」(園山 征夫 著)をご紹介します。

著者である園山氏は、東京都中央区に本社をおくコールセンター最大大手である潟xルシステム24の経営危機を立て直し、94年店頭公開。99年には東証1部上場を果たし、テレマーケティング業界No.1の企業に成長させた方です。

本書においてビジネスの善し悪しは、人と人との関係次第とし、著者自身が様々な失敗や成功体験という財産から習得した「礼節」と「誠実さ」で人間関係を築くことで、信用というビジネスマンにとっての最大の財産を手に入れる手法について記されています。この本の中身について簡単に触れたいと思います。

『チーム内における礼節と誠実』
殆どの人は仕事の繋がりの一部を担当し、次の人へ付加価値をつけて仕事の受渡しをしながら最終成果物の完成に貢献しています。この成果物はチームワークで成し遂げる集団の知恵の結晶です。
チームの中でリーダーの重要な役割である「部下のやる気を引き出す」場合に、この「礼節」と「誠実さ」が大切です。リーダーの立場になると、実力だけでは人はついてこず、気配りや品性などの人間性が問われることになります。
崖の崩れは小さな石や土砂の崩れにその前兆があります。ちょっとしたことを日常の習慣として身につけることで、その小さなことの積み重ねが、リーダーとしてあなたの財産になります。これこそ「小事は大事」という事です。
非常識なことをするためには、ビジネスマンとして礼節を守る人間でなければ周囲のサポートを得られず、チャンスを物にできません。単なる変人のレッテルを貼られる憂き目にあってしまいます。

『背伸びする。少し背伸びすると。もっと、大きく背伸びする。』
目標の大きさ、内容の難易度、成し遂げる時間軸が、背伸びの度合いに大きく影響します。上司は何故それを目標として設定したのか理解させ、成し遂げる方法、部下への落とし込みの実行のみを手助けします。部下を育てる感覚から、育ってもらう発想を持ち、権限を与え実力より少し高いハードルを任せる。これは単純に任せることではありません。任せながら指導する事を意味します。

『湿気のある関係』
「こうありたい」と考える組織内の人間関係を、最もしっくり表している言葉として著者が造語した言葉です。「ドライ過ぎず、ウェット過ぎない人間関係があれば、もっとうまくいきそう」。喜びも苦しみも分かち合い、誰かが指示する事もなく組織の隙間を自主的に埋めていくそんな人間関係を言います。
「知ったかぶり」をしても得をすることはまずありません。それよりも、聞く力と対話できる力を磨くほうがはるかに得です。これは人間関係の基本中の基本です。

『仕事を人に任す』
特に、優秀な人ほど、人に仕事を任せることにリスクを感じます。ただ、更に優秀な人物となる人は、他の人の力を借りて、全体のエネルギーを早く大きく強くする術を知っています。任すことで、自分が学習し、成長するからです。

「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」と謙虚な気持ちで教えを請う事が重要です。
尊敬する人からどれだけ貴重な教えを請うかが、ビジネスマンとして人間の幅を大きくすることの決め手となります。
依頼されたら、即断らないで「わかりました。トライしてみます」とまず引き受け、仮説を元に行動を起こす。
夢を抱いて行動することで夢に近づく。夢がチャンスを生み、日頃から夢を描いている人は、チャンスが来たら、これを捉えやすくなります。

『会社の風土類型』
1.トップ主導型→トップが強烈なリーダーシップを発揮し、それに社員を巻き込む
2.計数主導管理型→数字管理を先行させる
3.人間関係重視型→組織のあらゆるところで人間関係を重視し、楽しく仕事に取り組ませる
4.多角展開型→いろいろなことに経営資源を拡散させる
1.2.の組合せた型を「農耕型企業風土」として、トップ主導で戦略を立て、しかも社員を上手く取り込み、人間関係を重視する企業風土を言います。
情報を開示して初めて意見が貰えます。情報を出す人にしかいい情報は集まりません。情報格差ほど知の発展を妨げるものはありません。

気になった点を数か所ピックアップして掲載させていただきましたが、この他にも個性の強い部下への配慮などその手法について記されております。ある因縁で一緒に働く事となった部下の幸せのために、礼節を持って誠実に経営し、また、リーダーとして周囲に礼節と誠実さの模範を示すことが、部下の成長に役立ち、会社に付加価値をもたらしてくれることでしょう。

2014年7月号

上田公認会計士事務所
上田 久之