上田会計レポート NO.126
『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』
大阪市中央区の上田公認会計士事務所の上田です。
月日が経つのは早いもので、今年もまさに暮れようとしておりますが、
皆様いかがお過ごしでしょうか。
本日は、『ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく』という本をご紹介いたします。
著者は、プロ野球球団の買収や放送会社の筆頭株主として話題になったが、
その後、証券取引法違反の容疑で逮捕された「ホリエモン」こと堀江貴文氏です。
みなさまご存じのように、彼は逮捕されたことにより、
命がけで育ててきた会社やかけがえのない社員を失い、社会的信用も資産もほとんど失いました。
「ゼロ地点」にたった著者が、改めて「働くこと」の意味を考え、
そこから生まれる希望について書かれた一冊になります。
何のために働くのか?という問いかけに対して、皆様はどう答えますか。
著者は、儲けるために働くのではなく、お金から自由になるために働こう、と提案しています。
著者によれば、多くの人は「労働」の対価ではなく、「費やした時間」に対してお金をもらっています。
時間を差し出せば当たり前のように給料が振り込まれる、
そんなものは仕事ではないし、働いていても楽しくない。
それよりも、自分は「時間」以外の何を提供できるのかを真剣に考え、
「給料をもらう」という意識を捨て、
たとえ会社員であっても自らの「給料を稼ぐ」意識をもつべきだ、と主張しています。
プライベートを削ってまで自らの時間を差し出すとなれば、
仕事に縛られ、お金に縛られている感覚が強くなるのは当然だろうということです。
人生を豊かにするためには、限られた時間を無条件にさしだすのではなく、
仕事に対する意識を変え、働き方を変えていこうと提案しています。
やりがいのある仕事とはどのような仕事でしょうか。
やりがいのある仕事に就きたいという人が多いが、
やりがいとは見つけるものではなく自らの手でつくるもので、
どんな仕事にもやりがいはある、というのが著者の持論です。
仮説を立て、実践し、試行錯誤を繰り返す。この能動的なプロセスの中で、
単に「与えられた仕事」が「つくり出す仕事」に変わっていくそうです。
すべては仕事に対する取り組み方の問題であり、やりがいをつくるも見失うも自分次第。
どんな仕事でもやり方次第で楽しくすることができるのです。
また、目の前に流れてきたチャンスに躊躇することなく飛びつくことができるかどうかはとても重要だそうです。
チャンスは誰に対してでも平等に流れてきます。流れてきたチャンスを見極める必要なんてないのです。
失敗して何かを失ってしまうことよりも、失うことを恐れて一歩も前に踏み出さないことの方が問題なのです。
ゼロからイチへ、勇気を出して一歩踏み出そうと提案しています。
仕事に対する姿勢を変えて、楽しく働こうと思えた一冊でした。
訪れたチャンスを自分のものにするには、失敗を恐れず、
前に一歩踏み出す勇気をもつことが大事なのだと改めて気付かされました。
私も日々、幸福の女神に後ろ髪はないと考えて過ごしています。
2013年12月号
上田 久之